2017/03/28

福岡市博多区の富士通九州システムズの6階建てオフィス。トイレに行きたくなった社員が真っ先に見るのは、自分のパソコンだ。個室に空きがある階がすぐにわかり、タイミングを見計らってトイレに入れる。
2016年5月の本社移転の際、社員から「時間帯によってトイレが混んでいて使えない」「空き個室を探して階を移動するのが不便」などの声が寄せられた。システム開発という本業の力でこの不満の解決を狙った、というわけだ。
個室につけたドアの開閉センサーで使用状況をリアルタイムに把握。スマホでも見られ、廊下にも表示している。
ビルで働く社員からは、元には戻れないという声があがる。後藤清彦さん(31)は「無駄足がなくなるので、集中が途切れる時間を減らせた」。村岡千紗さん(26)は「デパートにもあるといいのに」。
利用状況のビッグデータから見えてきたこともある。男性は午前10時と午後2時、女性は午前9時前と午後5時半に利用のピークがある。女性は始業、帰宅前に備える傾向がある。
30分以上経つか、通報ボタンが押されると緊急事態のサインが表示される仕組みもある。体調を崩した人を発見したこともあった。
社内のシステムはショールームを兼ねている。系列企業への導入を進める一方、大手通信企業やアミューズメント会社からも引き合いがきており、導入に向けて準備が進んでいる。
これは良いシステム。余裕のある時は問題ないが、一刻を争う緊急時に個室の空き状況を瞬時に把握できるのは頼もしい。
それに、個室に篭り仕事をプチサボりする人も少なからずいるだろうから、サボり抑制効果も期待できる。
一歩間違えるとプライバシー云々の話に繋がる気もするが、個人的には支持したい。
また、都心の深夜から朝方はトイレを探すのに苦労することがあるので、トイレマップとの連動に期待。