2017/03/28

主要国や新興国の24カ国・地域で構成する国際決済銀行(BIS)の決済・市場インフラ委員会(CPMI)が作成した決済システムに関する統計書(BIS決済統計)をもとに、日銀が日本の決済の特徴をまとめた。
リポートでは、まず個人の最も基礎的な決済手段である現金について、日本の流通残高の対名目GDP比(2015年)が19.4%とCPMIメンバーの中で「突出して高い」とし、キャッシュレス化が進行しているスウェーデン(1.7%)の「約11倍にも達する」実態を紹介。
日本の場合は、現金を保有していても盗難のリスクが相対的に低いことや、偽造銀行券が少ないこと、低金利に伴う現金選好などを背景に、タンス預金など「貯蔵需要」も高い。決済においても、支払い額が額面に限定されていることをメリットと捉える人が多いことなどから、「カード決済などと比べて現金が選好される特徴がみられる」としている。
カードを利用した決済金額は相対的に小さいが、クレジットカード、デビットカード、電子マネーという各種カードの保有枚数は1人当たり平均で7.7枚にも達する。CPMIメンバー国ではシンガポールに次ぐ2番目の多さだ。
特に電子マネーによる決済金額が各国平均を大きく上回っており、理由として、1)SuicaやPASMOなど交通系カードの普及、2)発行体によるポイントの付加、3)電子マネー間での相互利用拡大・加盟店拡大・共通端末の整備──などを挙げている。
引用元
それだけ治安が良いことは単純に素晴らしい。それに加え、より便利になったら素敵じゃない。
結局のところ、カードを利用した方が絶対的に便利であるという体験をしなければ、日常利用における現金主義を辞めることは難しいのではなかろうか。
電車を利用する場合、毎度切符を買うよりは交通系カードを利用した方が絶対的に便利なことは周知の事実で、一度利用するだけでも強烈な体験となり、人は手放せなくなる。
それに比べ、コンビニの支払いはカードや電子マネーがお得であると何と無しに把握している人は多いのかもしれないが、絶対的にお得であると実感するには時間が必要である。ワンタッチで会計が済むため便利だと感じるはずなのだが、”絶対的に便利”と感じるかは疑問。レジでキャッスレスと改札でキャッシュレスでは、圧倒的に後者の方が便利と感じるのはなぜだろう。
私見としては、一々小銭を探す手間が省けるだけでもカードを利用する理由として十分なのだけど、絶対的体験かと問われると微妙だ。
カードを所有している人は多いにも関わらず利用しない人が多い現状は勿体無いし、セルフレジ導入の件を見てもキャッシュレスへの移行が加速することは明らかで、能動的に現金を持たない人になる良い時期なのかもしれない。
注意点として、一切現金を持たないことは現状不便かもしれない。都市部は良いが地方に出れば現金がないと自販機すら使えないことも多々ある。
国がキャッシュレスを目指すのなら、都市部に限らずカードを使える環境を作る必要があり、絶対的体験を経験できる機会を設けると面白いのではなかろうか。